重要な取締役会議事録:コーポレートセクレタリーのための議事録作成のヒント

取締役会の生産性を高めたいですか?
ハーバード・ビジネス・レビューによると、バーチャル会議への移行により、一部の企業は従来の対面会議に比べて効率性が向上しています。しかし、それでも会議が自分や役員の貴重な時間を奪っていると感じているなら、それはあなただけではありません。Microsoftのデータによると、多くの人が既に認識していることが裏付けられています。会議はかつてないほど頻繁になり、長時間化しているのです。
取締役会が対面で開催されるかオンラインで開催されるかに関わらず、真の効果を発揮するには、重要な点を的確に捉えた議事録が必要です。コーポレートセクレタリーにとっての課題は、明確で法的に妥当かつ実行可能な議事録を作成することです。
適切に作成されれば、取締役会議事録は企業ガバナンスの基盤となります。適切に作成されなければ、コンプライアンスリスク、混乱、そして機会損失につながります。適切な取締役会議事録のフレームワークの維持は、複数の国におけるコンプライアンスを促進し、複雑なグローバルガバナンスへの対応を支援するため、国際企業にとって特に重要です。
このブログでは、効果的な取締役会議事録を作成し、最大限の効果が得られるように適切に文書化するための重要なヒントを紹介します。
構成から始める
セクレタリーとすべての取締役は、議事録が単なる記録ではなく、法的文書であることを理解することが重要です。明確で透明性のある議事録の構成は、一貫性とコンプライアンスを確保します。
各議事録には次の内容を含める必要があります。
- 基本詳細:会議の日付、場所、開始時刻、終了時刻、出席者、定足数の確認。
- 議題:議論されたトピックの簡潔な内訳。
- 主要な議論:主要な決定事項の根拠。ただし逐語的な記録はなし。
- 決定と決議:承認、否決、保留を明確に文書化。
- 行動項目:次に何が起こるか、誰が責任を負うか、予想される期限。
標準化されたテンプレートを使用すると、プロセスが合理化され、重要な詳細が見落とされることがなくなります。
明確であること – 決して不可解であってはならない
取締役会議事録は分かりやすく作成する必要があります。「議論が行われた」や「懸念が提起された」といった曖昧な表現は避け、より正確な表現を用いることが重要です。例えば、「取締役会は市場拡大戦略について議論し、特に日本における外国人雇用に関する規制上のハードルに焦点を当てました」といった具合です。
同時に、簡潔さと明瞭さのバランスを取ることが重要です。詳細すぎると議事録は単なる書き起こしになってしまいます。一方、詳細が少なすぎると意味をなさなくなってしまいます。主要な議論や決定事項を明確かつ客観的に要約することを目指しましょう。
文書による審議 – ただし戦略的に
規制当局や裁判所は、取締役がデューデリジェンスを実施したかどうかを評価する際に、しばしば取締役会議事録を参照します。そのため、取締役会が意思決定を行う前に慎重な議論を行ったことを示すことが非常に重要です。
しかし、特に議論の詳細を記録しすぎると、逆効果になる可能性があります。過度に詳細な議事録は、後々訴訟で精査され、省略された点が全て過失の証拠として歪曲される可能性があります。すべての発言を記録するのではなく、重要な観点を要約しましょう。「取締役会はコスト、セキュリティ、拡張性を考慮し、3つのベンダーの提案を検討した結果、プロバイダーXを選択しました。」
客観的であり続ける – 感情的なコメントは省く
議事録は事実に基づくもので、解釈的な内容であってはなりません。「CEOは素晴らしいプレゼンテーションを行った」といった主観的な表現は避け、中立的な表現に徹しましょう。「CEOは第3四半期の財務状況を発表し、新製品の発売による収益増加と出張削減によるコスト削減策をアピールした」といった表現が適切です。
反対意見が出た場合は、慎重に記録してください。決定に強く反対する取締役は、その反対意見を記載するよう求めるかもしれません。その場合は、中立的な立場を維持してください。「Y取締役は予測される費用について懸念を表明し、動議に反対票を投じました。」
特権的かつ繊細な議論を保護する
法的な議論は慎重な取り扱いが必要です。弁護士との会話は、弁護士・依頼者間の秘匿特権を放棄するリスクがあるため、すべて書き起こすべきではありません。代わりに、「取締役会は、外部弁護士から規制遵守に関する法的指導を受けました」とだけ記載してください。
同様に、憶測や非公式な発言は避けましょう。幹部が「収益が落ちたら人員削減を検討するかもしれません」と何気なく発言したとしても、記録に残さないでください。正式な議論と決定事項に絞りましょう。
適時性と保管が重要
議事録は、速やかに確認・承認されなければ価値を失います。ベストプラクティスは、会議後1週間以内に議事録案を回覧することです。こうすることで、取締役は議論の内容が記憶に新しいうちに議事録を確認することができます。承認後は、議事録を安全に保管し、将来参照できるようにしておきましょう。
記録の保管が遅れたり、一貫性がなかったりすると、深刻なガバナンス上の問題を引き起こす可能性があります。規制機関や監査法人から議事録の提出を求められた場合、迅速かつ確実に提出できる必要があります。
よくある落とし穴を避ける
経験豊富なコーポレートセクレタリーでもミスは犯します。特に注意すべき重要なミスは以下のとおりです。
- 過剰な記録:すべての単語を記録するのではなく、重要なポイントに焦点を当てます。
- 記録不足:主要な議論と決定が記録されていることを確認します。
- 一貫性のない用語:役割、動議、承認に同じ言い回しを使用します。
- 承認の遅れ:議事録は迅速に確認して確定する必要があります。
- 不明確な実行項目:フォローアップタスクの責任者を常に明記します。
最後に:議事録は単なる形式的なものではない
取締役会議事録は、会社の意思決定、リスク管理、コーポレートガバナンスに関する公式記録です。取締役会議事録の目的は、取締役会を保護し、透明性を確保し、事業の前進を維持することです。
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